冬休みが近づき、海外でのドライブ旅行を計画している方も増えているのではないでしょうか。そんな時に必要なのが「国外運転免許証」です。これは、日本国内で取得した運転免許を持つ方が、海外でも車やバイクを運転できるようにするための証明書です。今回は、神奈川県での手続きを例に、国外運転免許証の取得方法や準備すべきこと、注意点について詳しくご案内します。
国外運転免許証とは
国外運転免許証とは、日本の運転免許を持つ人が、運転可能な一部の国や地域で運転できるようにするための免許証です。旅行先でレンタカーを借りたり、レンタルバイクに乗ったりする際に必要となります。国際的に通用するこの免許証があれば、異国の地でも運転を楽しむことができます。取得にあたり、特別な学科試験や技能試験は不要で、申請者は自分の運転免許証とパスポートさえ用意すれば、比較的簡単に手続きが完了します。
申請方法と手続き
神奈川県での申請方法を例に、申請の流れをご説明します。
免許センターでの申請
神奈川県の運転免許センターでは、平日であれば予約なしで当日申請が可能です。1時間程度の手続きで即日発行されるため、時間が限られている方にとっても便利です。
• 平日(予約不要): 午前8時30分〜11時および午後1時〜3時30分まで受け付けています。
• 日曜日(完全予約制): 日曜日も手続きは可能ですが、完全予約制となり、午前8時30分〜10時30分の間で申請できます。
一方、警察署でも申請できますが、交付には少し時間がかかります。
• 警察署での申請(平日のみ): 交付までに2週間程度の期間が必要で、平日の午前9時〜12時および午後1時〜4時に受付しています。
国際免許の種類
日本の運転免許区分と、それに対応する国際運転免許証の種類、および各国際免許で運転可能な車両を以下の表にまとめました。
• A: 二輪の自動車(側車付き含む)、身体障害者用車両、空車状態で重量400kg以下の三輪の自動車
• B: 乗車定員10人以下、車両総重量3.5トン未満の自動車(軽量の被牽引車を連結可能)
• C: 車両総重量3.5トン以上の貨物自動車(軽量の被牽引車を連結可能)
• D: 乗車定員10人を超える自動車(軽量の被牽引車を連結可能)
• E: B、C、Dの自動車に軽量の被牽引車以外の被牽引車を連結した車両
注釈:
• 軽量の被牽引車: 車両総重量が750kg以下の被牽引車を指します。
• 国際免許の種類:
• A: 二輪の自動車(側車付き含む)、身体障害者用車両、空車状態で重量400kg以下の三輪の自動車
• B: 乗車定員10人以下、車両総重量3.5トン未満の自動車(軽量の被牽引車を連結可能)
• C: 車両総重量3.5トン以上の貨物自動車(軽量の被牽引車を連結可能)
• D: 乗車定員10人を超える自動車(軽量の被牽引車を連結可能)
• E: B、C、Dの自動車に軽量の被牽引車以外の被牽引車を連結した車両
手数料について
国外運転免許証の申請には手数料として2,350円がかかります(神奈川県の場合)。手数料は「収入証紙」という形で支払いますが、この収入証紙は申請窓口である免許センターや警察署付近の安全協会窓口で購入可能です。他の都道府県の一部(例えば東京都など)ではキャッシュレス決済も導入されていますが、2024年10月現在、神奈川県では現金での収入証紙購入が必要です。収入証紙と収入印紙は異なるものですので、間違えて貼付しないようにご注意ください。
申請に必要なもの
国外運転免許証の申請には、以下の書類やアイテムが必要です。
• 申請書: 申請書は申請場所で受け取れます。運転免許センターのエントランスには、申請書発行用の機械が設置されており、日本の運転免許証を読み取らせて申請書を出力します。申請書には、渡航先や滞在日数、渡航目的、パスポートなどの証明書の種類を記入する欄があります。これらの内容は免許証発行後に変更されても問題ないため、現時点での情報を記載すれば大丈夫です。
• 証明写真: 縦4.5cm×横3.5cmの証明写真が必要で、申請から6ヶ月以内に撮影されたものに限ります。顔が中心に写り、無帽・正面・無背景・枠なしのものが条件です。免許センター内にはスピード写真機も設置されており、写真用紙に印刷されたものならば使用できます(2024年8月現在、900円)。
• 渡航証明書: 渡航先を証明する書類として、パスポートやeチケット(印刷したもの)が必要です。eチケットの場合は、携帯画面ではなく紙に印刷したものを持参してください。
国外運転免許証の仕様
国外運転免許証は、日本の運転免許証のようなカードタイプではなく、ボール紙でできた冊子型です。水に弱く、雨に濡れると破損しやすいため、保管や取り扱いには注意が必要です。対象の車種にはスタンプが押されますが、原付や小型特殊車両の免許しか所持していない場合、国外運転免許証は発行されません。
海外での保険加入
クレジットカードに付帯している海外旅行保険により、運転者自身の怪我については補償されることがありますが、車両に対する対人・対物の自動車保険は含まれていないことが多いです。そのため、レンタカーを借りる際は、追加で保険を契約するのが望ましいです。また、東南アジアなどでレンタルバイクを利用する際は、パスポートの提示を求められることが多く、免許証の確認がないケースもありますが、無免許での運転は保険の適用外となりますので注意が必要です。どの国でも、飲酒運転による事故は保険の対象外となりますので、適切な判断で安全運転を心がけましょう。
安全な海外ドライブのために
国外でのドライブをより安全に楽しむためには、借りた車両のエンジンやブレーキの状態、ガソリンの残量などを確認することが重要です。また、異国の交通ルールや運転マナーが日本とは異なる場合も多いので、余裕を持って行動しましょう。海外のドライブでは、新しい景色や出会い、体験が待っています。しっかりと準備を整え、安全第一で、思い出に残る楽しい冬休みの旅をお楽しみください。